日本にいると、暗黙裡に「アメリカかヨーロッパか」みたいな感覚になってしまうものです。日本には両方からクルマが持ち込まれるので両方あるのはわかるが、ヨーロッパに走っているアメ車、どことなく違和感があるものです。別に全く不思議ではないのですが。
日本でもダッジブランドありましたね。このキャリバーのほか、チャージャーや、色々なクルマが国内のジープ・クライスラーのディーラーで販売されていたものです。ダッジというと、それ自体は「極めてアメリカン」なブランドなのですが、クルマ自体に目を移してみると、どこか無国籍な印象があって、そんなところに惹かれた人も少なくないようでした。
違和感が強い「ヨーロッパからアメリカ車」
クルマは一番身近な異文化コミュニケーション、常々私はそう感じています。やはりどういう国で作られたのか、どういう人達が使うのか、何を食べている人が作ったか。エンジンが付いていて、タイヤが4本あって。そういうところは概ね同じだとしても、完成するクルマには随分違いが出てくるものです。クルマ作りとはそういうものなんでしょうし、もっというと仕向地向けに色々とあれこれ考えることは、べき論としてはわからないでもありませんが、個人的にはそれも含めて受け入れるということだろ!本来輸入車に乗るということは。そんな風に感じてしまうのです。
しかし、そんな個人的な感覚が、帰って閉塞的に感じさせてしまう一例が、この「ヨーロッパのアメ車」なのかもしれません。デザインもアメリカ車はアメリカ人好み、なのでしょうか。あまり仕向地のことを考えませんね。しかしそれでも、アメリカ人でさえ最近は求める要素としては効率的で低燃費だったりするわけで、以前に比べるとだいぶコンパクトになりました。確かにこのキャリバーの後継者などはアリファロメオジュリエッタベースのダッジ・ダートだったりします。
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ん?アルファロメオベースのクライスラー?「ほぼシムカじゃないか!」と意味のわからないテンションの上がり方をしていたりして、それはそれで嫌になるのですが(笑)シムカはもともとフィアトベースで車を作っていて、その後クライスラー・フランスとして歴史を刻んだメーカーですね。たまたま巡り合わせでそうなっただけなのですが。
まあ、ヨーロッパの街角で見たダッジキャリバーの写真を見て、「シムカ!」と一人で盛り上がる極東の島国の人がいるとは思ってないでしょうね。発想が極端すぎる点を今日も反省した次第です。
[ライター/SUVラボ編集部 カメラ/ドイツ駐在員]