2016年10月に日本仕様が発表となったメルセデス・ベンツ Vクラス。すでに本国では2016年1月に発表されていますが、日本に導入されたのは世界で最も厳しいとされる日本の「ポスト新長期規制」に適合するため日本専用に開発した2.2リッター直列4気筒BlueTECエンジン(ディーゼルエンジン)を搭載したモデルとなります。
国産Lクラスミニバン市場に割って入る新型Vクラス
気になるスペックも最高出力120kW、最大トルク380Nmと、先代の3.5リッターガソリンエンジンを上回るトルクを発生し、それでいて燃費は15.3km/L(JC08モード)と先代と比較して最大+125%向上しているというもの。用意されるボディも標準、ロング、エクストラロングと3タイプとなり、純正アクセサリーも日本向けに開発された「リアエンターテイメントシステム」や「ターフ&カーテンセット」など、国産Lクラスミニバン市場に割って入ろうとする新型メルセデス・ベンツ Vクラスの魅力をライバルとの比較でチェックします。
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仮想ライバルはトヨタ・アルファード
国産Lクラスミニバンの雄と言えば、言わずと知れたトヨタ・アルファード(兄弟車のヴェルファイア含む)で決まりではないでしょうか。今回は新型Vクラスのライバルとして登場願いました。
比較するに当たってVクラスは最量販グレードとなりそうな「V220d」、対するライバルのアルファードはハイブリッド車の中間グレードとなる「HYBRID X(7人乗)」をチョイスしました。ここで車両本体価格を見てみましょう。
▼メルセデス・ベンツ Vクラス 620万円
▼トヨタ・アルファード 415.5055万円
この段階での価格差はおよそ200万円。しかし、Vクラスに標準装備となるナビや360°カメラシステム、両側電動スライドドアがアルファードには付いていません。そこで同等の機能を備えたメーカーオプションのナビ(パノラミックビューモニター付)を選択します。すると、
▼メルセデス・ベンツ Vクラス:620万円
▼トヨタ・アルファード:492.4015万円
一気に価格差が130万ほどになります。しかし、逆にアルファードに装備されるレーダークルーズコントロールなどはVクラスに装着されないため、近い装備となる「レーダーセーフティパッケージ」を装着し、諸費用などを入れたおおよその支払総額は以下のようになります。
▼メルセデス・ベンツ Vクラス:650.08万円
▼トヨタ・アルファード:507.2725万円
この条件の車両を残価設定プランの5年タイプでそれぞれ購入すると仮定し、ホームページ上の見積シミュレーションで算出すると……
▼メルセデス・ベンツ Vクラス:支払総額718.963万円 残価設定額(最終支払額)272万円
▼トヨタ・アルファード:支払総額560.9121万円 残価設定額(最終支払額)166.2022万円
となり、支払総額から残価設定額を引いた実質負担額は……
▼メルセデス・ベンツ Vクラス:446.963万円
▼トヨタ・アルファード:394.7099万円
で、なんと両車の差額は52万円ほどまで圧縮されるのです!さらにVクラスには新車購入から3年間走行距離無制限の一般保証・メンテナンスサービスと24時間ツーリングサポートを無償提供する総合保証プログラム「メルセデス・ケア」が適用されるため、維持費の面でもさらなる圧縮が期待できますね!
装備はユーザー次第、実際にかかる費用は大差がない
ただ、Vクラスを手放しで褒められるかというとそうもいかず、アルファードには装備される自動ブレーキ機能が設定されないことや、4WDがないこと、サンルーフの設定がないことなど、アルファードにあってVクラスにないものも多々あるのです。もちろん、どの装備が必要なのかは選ぶユーザーによって左右されることもあるため、一概にどちらが優れているとは言えませんが、少なくとも実際にかかる費用は大差ないというのは大きな魅力の一つではないでしょうか。
なお、今回の金額はあくまで見積シミュレーションでの算出のため、実際の条件とは異なる場合があります。あくまで参考程度にお考えいただければ幸いです。
[ライター/ミニバンラボ編集部]