コラム

日産の8人乗りミニバン、2代目「プレサージュ」のおすすめグレード。十分注目に値する中古車

それでは今回もさっそく「おすすめミニバンのおすすめグレード」に関する研究を進めてまいりましょう。今回のお題は、2003年から2009年まで販売された日産の8人乗りミニバン、2代目プレサージュです。

「簡単、らくらくシートアレンジ」が魅力の8人乗り

「ミニバン・クルーザー」を標榜した初代プレサージュが登場したのは1998年のこと。その5年後にフルモデルチェンジを受けて登場したのが、「アクティブライフミニバン」をコンセプトとする2代目プレサージュです。
2代目プレサージュの最大のセリングポイントは、「簡単、らくらくシートアレンジ」と銘打たれたシートアレンジ。リングを1回引くだけで畳めるサードシートや、運転席のスイッチで自動的に倒れ、前方に移動するセカンドシートなど、「とにかくカンタンな操作でさまざまなシートアレンジが行える」というのが2台目プレサージュのウリでした。

車台は4ドアセダン「日産ティアナ」と共有

プラットフォームは2003年2月デビューの4ドアセダン「ティアナ」と共有。ティアナの4WD版と同じ2.5L直4+4速ATという組み合わせのほか、スカイラインなどでおなじみの3.5L V6+CVTもラインナップされました。駆動方式はそれぞれにFFと4WDが用意されます。
ティアナゆずりの「FF-L」プラットフォームを用いたボディの寸法は、全長4840mm×全幅1800mm×全高1685mm。サスペンションは前マクファーソンストラットの後マルチリンクで、フロントにはダンパー内に薄いゴムを入れて微振幅高周波振動を抑える「リップルコントロール・ショックアブソーバー」が採用されています。
4WDのシステムは、エンジンに合わせて2種類が存在します。2.5L版は路面状況に応じて後輪にトルク配分を行う「オートコントロール4WD」。3.5L版は、電子制御の油圧多板クラッチを使い、前後トルク配分を100:0(FF状態)から50:50までコントロールする「オールモード4×4システム」となります。

2列目、3列目のシートアレンジは本当にカンタン


とはいえ2代目プレサージュの最大のポイントは「シートアレンジ」でしょう。従来型の3列目は左右跳ね上げ式でしたが、この2代目はラゲッジルームにあるリングを引くだけで座面が2列目側に跳ね上がり、シートバックが床と面一に収納されます。
さらにもう一度引くと、2列目のシートバック裏で直立していた座面が倒れてフラットになり、奥行き1345mmの荷室ができあがるのです。
セカンドシートは、左右スライド機構によりた「キャプテンシート」と「ベンチシート」に切り替え可能。そしてすべてのグレードに、運転席のスイッチで助手席側セカンドシートをスライドさせる「セカンドシートリモコンウォークイン」が搭載されています。
荷室の使い勝手を高める意味で、リアハッチのウィンドウも開閉可能。ウィンドウを開けたままリアハッチを開けても、ガラス部分が2m以上あがらないようできているため、高さの低い駐車場などでも安心して使えるのです。
さらに両側スライドドアは、運転席と後席、そしてリモコンの各スイッチで自動開閉が可能OK。荷物などで手がふさがっている際にも重宝します。ちなみにドアに何かが挟まると圧力センサーが感知し、ドアは反転します。

小変更とマイナーチェンジで商品力UPに務めたが


2代目日産プレサージュは2004年10月に最初の小変更が行われました。このときの内容は、スポーティグレードである「ハイウェイスター」のキャラクターをさらに際立たせるため、ヘッドランプやフロントグリル、アルミホイール、リアスポイラーのデザインを変更したことです。
加えて全車で内装のグレードアップを図り、さらに「スライドドアオートクロージャー」(両側)や「インテリジェントキー」「オートライトシステム」などを標準で与えるなど、各種装備が充実しました。
さらに2005年12月には二度目の小変更が実施され、2.5Lの「QR25DE」エンジン搭載車が「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(SU-LEV)」の認定を取得。
そしてオートスライドドアやステアリング木目調加飾、17インチアルミロードホイールなどを一部グレードに採用し、キセノンヘッドランプ装着車にヘッドランプレベライザー(オート)、ハロゲンヘッドランプ装着車にヘッドランプレベライザー(マニュアル)を標準装備したのもこのタイミングです。
2006年5月には初めての「マイナーチェンジ」が実施され、内外装デザインが大幅に変更されました。加えて2007年6月にはまたまた小変更が行われ、すべてのグレードに新開発のBluetooth対応オーディオ機能搭載「HDDカーウイングスナビゲーションシステム」がオプションで設定されました。また、「250XG」「250XL」のフロントグリルとバンパーのデザインを変更するなども行われています。
このように地味にいろいろとケアされてきた2代目プレサージュではありましたが、競合であるホンダ オデッセイの牙城を崩すには至らず、2009年7月には販売終了となってしまいました。
参考:ミニバン/ワゴン車/ワンボックスの買取専門ページです

中古車相場は余裕でアンダー50万円

以上のとおり、あえなく絶版になってしまった2代目日産プレサージュではありますが、「高級感のあるロールーフミニバン」を求めている人にとっては決して悪いクルマではないため、その中古車を探してみる価値は十分あります。
2019年10月上旬現在、カーセンサーnetに掲載されている2代目プレサージュの中古車は全国で114台。流通量は「まずまず多い」と言えるでしょう。
相場は「下が10万円で上が80万円」といったニュアンスですが、ボリュームゾーンは20万~50万円といったところ。このあたりの価格帯でも、「走行5万km前後」のまあまあ好条件な個体を十分探すことができます。
新車時はホンダ オデッセイとの戦いに敗れ去った2代目プレサージュですが、今、「車両30万円か40万円ぐらいで買えちゃう中古ミニバン」として見るならば、まずまずのバリューと使いみちは確実にあります。
もしもあなたが「安価な予算で最大8人が乗れるミニバンを手に入れたい」と考えるのであれば、アンダー50万円の2代目日産プレサージュは十分注目に値するでしょう。
多少なりともご参考になったならば幸いです。それではまた次回!
[ライター/伊達軍曹]

車の売却・査定は買取専門店にお任せください

創業20年以上の買取専門店だから、お車のセールスポイントを熟知!細かな装備やカスタム内容もしっかり高額査定が可能です。お車の買取相場をリアルタイムで把握しているので適正価格で買取させていただきます。

愛車の相場と査定の
お申し込みはこちら!

【解説】ルノーのおすすめ買取店と高額買取できるお店を探すポイントとは?前のページ

「日本の美意識」をテーマとしたLサイズミニバン三菱のグランディス。中古車で購入するのはアリか?次のページ

この記事を書いた人
ユーズトカーラボ 編集部
ユーズトカーラボ 編集部

ユーズドカーラボマガジンは国内最大級の中古車専門メディアです。自動車ライターによる中古車に関するコラムや、相場などの詳細情報まで網羅しています。

関連記事

  1. コラム

    千葉県千葉市の車買取店一覧

    お売りになりたい車と、車検証は最低必要です。即売却を希望の方は売却に必…

  2. コラム

    アウディの大人気車種アウディA6

    車大好きライター中込健太郎さんの寄稿記事を車種別に編集して掲載していま…

  3. コラム

    輸入SUVの王道BMW X3。乗り心地と使い勝手などを女性視点でレポート

    2006年型のBMW X3に乗る機会がありました。マイナーチェンジ後の…

  4. コラム

    BMW X6の模型ってどんなものがあるの?走らせることもできる!?

    BMW X6の模型はBMW X6を模した小さいサイズの種類が多く手に入…

  5. コラム

    かつてのスズキのフラッグシップセダン「キザシ」!ヨーロッパ車のような乗り味の希少なセダンを再評価する…

    みなさん、こんにちは!今回は、かつてスズキのフラッグシップセダンとして…

  6. コラム

    日産 ジュークの売り時はいつ?買取相場や中古車価格などをわかりやすく解説

    ジュークは2010年に国内で発売された小型SUVで、そのユニークなスタ…

  1. コラム

    伊達軍曹のここだけSUV談義 第6弾。評価が分かれるトランスミッション「CVT」…
  2. コラム

    ベンツC63 AMG W204と、普通のベンツCクラスの上級グレードではどちらが…
  3. コラム

    【解説】BMW X3のナビについてるテレビは走行中に見れない?その理由は?
  4. コラム

    いろんな目的に使えるBMW Eシリーズ E60のキャリパーカバーについてご紹介!…
  5. コラム

    感性に訴えかけてくる、上質な「走る愉しさ」。レクサスのスポーツセダン、ISのおす…
PAGE TOP