スバルが2014年から製造販売を始めたステーションワゴンがレヴォーグです。スバルのステーションワゴンといえばレガシィツーリングワゴンが最初に思い浮かぶかもしれませんがレヴォーグはレガシィツーリングワゴンに変わる新しいステーションワゴンとして誕生しました。レヴォーグのトピックはなんといっても日本の道路事情や日本における使い勝手を考えて設計・開発されたことです。今回はレガシィツーリングワゴンの後継車種となったスバルのステーションワゴンレヴォーグの誕生背景や人気の理由を探っていきましょう。
レヴォーグ誕生背景から紐解いてみよう
スバルレヴォーグはレガシィツーリングワゴンの後を継ぐスポーツツアラーとしてデビューしました。全長4,690mm全幅1,780mm全高1,500mm(グレードによって差異あり)ホイールベース2,650mmのボディサイズで5代目レガシィツーリングワゴンのサイズ(全長4,775mm全幅1,780mm全高1,535mmホイールベース2,750mm)と比べると全長-85mm全幅0mm全高-35mmホイールベース-100mmとボディサイズをダウンさせています。レガシィツーリングワゴンは4代目から3ナンバーのボディサイズとなっており世界戦略を視野に入れたボディサイズへと変化していき5代目ではかなり大きなサイズになってしまい日本国内での取り回しや扱いやすさをを考えると決して扱いやすいとは言いにくいサイズにまで拡大していった経緯があります。
一方新型となったスバルのスポーツツアラーレヴォーグは各自動車メーカーがグローバル展開を視野に入れた新型車開発をするなか日本国内での運転のしやすさや使い勝手をメインに開発され設計されています。レヴォーグの開発責任者である熊谷泰典氏によると「日本国内のお客様が何を求めておられるのか、それにスバルが応えることができていたのかを全面的に見直した」と話していることやレヴォーグ発表資料に「日本のお客様が求めるクルマの本質を追求し、スバルが長年培ってきた安心で愉しいクルマづくりのノウハウと最新技術を注ぎ込むことで、新世代スバルを具現化した新型スポーツツアラー」とあるように日本国内で使用することを主軸に開発されていることがわかります。デザインではスバルを象徴するヘキサゴングリルやC型に点灯するポジショニングライトやテールランプが特徴。
流麗で車両後方に向かってなだらかに傾斜するルーフラインがスポーティーでスタイリッシュなシルエットを生み出しています。クォーターピラーが細くサイドウィンドウが広くとられていることで死角が少なく視界も良好。インテリアは質感の高さにこだわっておりピアノブラック調のパネルやメッキパーツなどをあしらい上質感を演出。左右対称に広がるダッシュボードにより伸びやかな印象と落ち着いた室内空間が作り出されています。運転席と助手席をはじめリアシートもくつろぎ空間が広がっています。
ホイールベースを短くしながらもゆとりある空間を作り出しラゲッジスペース容量はトータル522Lを確保。この数字はレガシィツーリングワゴンの520Lを上回る数字で巧みなパッケージングによってボディのダウンサイジングやホイールベース長を短くしながらも実現できた数字です。肝心の走りはスバルのDNAがきっちりと反映されています。1.6Lもしくは2.0L水平対向ターボエンジンにAWD(四輪駆動)を組み合わせる手法は今やスバルの定番。トランスミッションはリニアトロニックと呼ばれるCVTが搭載され、四輪独立懸架サスペンションによって張りがあるしなやかな足まわりを持つ長時間運転も得意なグランドツーリングワゴンに仕上げています。スパルタンな走行を期待するスバリストからは物足りないと感じるかもしれませんが高いボディ剛性によって意のままに走らせることができるスポーティーな味付けは走りの楽しさを増幅させています。「安全で愉しいクルマ作り」を押し出しているスバル、安全面では「アイサイト」が大幅に進化。
レヴォーグのアイサイトは運転支援システムと予防安全システムを搭載した最新鋭のアイサイトが装着されています。ステーションワゴンの概念を変えてきたレガシィツーリングワゴンの血統を受け継ぐミディアムコンパクトサイズのステーションワゴンがレヴォーグでありスバルの「安全と愉しさ」を具現化したこだわりが凝縮されているスポーツツアラーがレヴォーグなのです。
参考:スバルの買取専門ページです
どのレヴォーグがオススメなのか
歴史あるステーションワゴンの要素とレースの世界で培われた技術と最新のシステムを搭載したスポーツツアラーレヴォーグ。1.6Lモデルと2.0Lモデルではエンジンの排気量や出力が異なります。1.6L水平対向4気筒ターボエンジンは最高出力170PS最大トルク250Nmを発生させます。2.0L水平対向4気筒ターボエンジンは最高出力300PS最大トルク400Nmを発生させるハイパワーバージョンです。どちらのエンジンにしても実用回転領域で最大トルクを発生させるセッティングがされているためパワー不足を感じることはないでしょう。日本の税制により1年に1度納税義務がある自動車税区分で考えてみるとどちらも「1.5L以上2.0L未満」の区分になり税額は39,500円です。ここで悩ましいのが1.6Lモデルと2.0Lモデルどちらが良いのかということ。
1.6Lモデルは必要に応じて十分なパワーを発揮する動力を備え指定燃料はレギュラーガソリン。2.0Lモデルはハイパワーでありながら環境性能を両立していますがハイオク指定。トランスミッションは同じリニアトロニック(CVT)ですが2.0Lモデルの場合はよりスポーティーな味付けのスポーツリニアトロニックが搭載されています。四輪駆動システムでは1.6Lモデルはトルク配分型AWD、2.0Lモデルは前後配分45:55を基本設定としたトルク配分型四輪駆動システム「VTD-AWD」を搭載しています。
実は1.6Lモデルと2.0Lモデルではこれほどにまで違いがあったのです。これらを踏まえて総合的に判断するとスバルレヴォーグのオススメは「2.0 GT-S EyeSight」です。新車販売価格は1.6L最上級モデルと比較をすると少し高くなりますがスポーツリニアトロニック、VTD-AWDなど2.0Lモデルならではの装備が充実しています。さらにビルシュタイン製ダンパーや18インチホイール、アルミペダルなどスポーティーな装備も満載であるためオススメです。もちろんスバルの安全システムであるアイサイトも装着されておりスポーツツアラーとしてのドライビングファンと高い安全性を備えているグレードが「2.0 GT-S EyeSight」なのです。オススメの「2.0 GT-S EyeSight」は2019年3月時点で新車販売価格361.8万円、中古車市場の価格相場は約170万円~リセールされています。
〈レヴォーグおすすめまとめ〉
・2.0 GT-S EyeSight
・新車本体価格3,618,000円
・中古相場170万円~
レガシィツーリングワゴンの後継として
スバルが満を持してリリースしたレガシィツーリングワゴンの後継車種レヴォーグ。日本市場に重点をおいて開発されたレヴォーグですが、ステーションワゴンの需要がある欧州やオーストラリアでも販売されています。日本の狭い道路でも取り回しがしやすいよう全長と全高とホイールベースを5代目レガシィツーリングワゴンからサイズダウン。単にサイズを小さくするのではなく居住スペースやラゲッジスペース、スポーティーなドライビングを犠牲にすることなく扱いきれる絶妙なサイズがレヴォーグのポイントです。質感の高い上品なインテリア、リアシートのリクライニング機構やリアシートアレンジによりさまざまなニーズに対応できる適応力を備えた万能ワゴンのレヴォーグ。スポーツカーやスポーティーなクルマが好きで運転も好きだけど趣味の自転車やスキーなども楽しみたい、家族と出かけることが多く荷物も多いけどゆとりのあるドライビングを満喫したいなどの要望に応えることができるモデルがスバルレヴォーグです。ミニバンでは実現できないシャープなドライビングと高いユーティリティがレヴォーグ最大の魅力といえるでしょう。
[ライター/齊藤 優太]